2022-08-11
【インタビュー】
大人の英会話上級クラス「アドバンスドコース」在籍
看護師Nさん「アメリカでの体験から得た心の財産と会話のコツ」
あすなろの大人のための英会話レッスンは、初級〜中級者向けと上級者向けがあります。今回は上級者向けの「大人のアドバンスドコース」に在籍しているNさんにお話を伺いました。「大人のアドバンスドコース」は現在、火曜日にオンラインにて開講中です。海外経験のある方が帰国後も英語力をキープするために最適のクラスです。
Nさんは現役の看護師さんです。アメリカの大学に行かれ、卒業後にアメリカでの看護師の免許を取得。その後、現地の病院勤務を経て日本に帰国されました。アメリカの滞在期間は9年間。もちろん英語は素晴らしく流暢にお話しになります。Nさんは実はセイドー(下記*)の元生徒さん。Nさんの貴重な体験と、若い世代へのメッセージをお聞きしました。
*セイドー外国語学院。あすなろの講師陣の独立前の職場で、2013年に事実上の閉校、60年余の歴史に幕をとじました。多くの英語上級話者を輩出したことでも知られています。
アメリカ行きのきっかけは「英語の先にある大きな目標」
あすなろ:学生の頃に当時のセイドーに通われていたのですね。
Nさん:はい。最初は(海外に)旅行に行って(英語を)ちょっと話せると良いなあというような気持ちで始めました。でもある時、セイドーの先生から「英語を話すことを目的にするのではなく、その先にある大きな目標を見つけなさい」とアドバイス頂いて、「そうだ! アメリカの大学に行こう」と思い立ったのです。ただ単に「アメリカへ行く」というよりは親を説得しやすかったですしね(笑)
あすなろ:それは一大決心ですね! 素晴らしい行動力です。
Nさん:大変でしたが、行って良かったと思います。留学してすぐは語学学校でブラッシュアップし、その後、大学に入学しました。私は数年間日本で看護師として勤務してから行きましたので、周りは私より若い方ばかりでした。でも、日本にいては出会えないような様々な年代やバックグラウンドの人と交流を深めるにつれ、私の世界が大きく変わりました。その頃出会った方々や経験は今でも私の心の財産です。
日本人の特性が世界に活躍の場をつくる
あすなろ:大学卒業後、今度はアメリカで看護師としてのキャリアを積むべくお勉強され、スタートされたのですね。
Nさん:はい。医療現場は薬の名前や業務内容に専門用語が多く、しかも一つ間違うと大変なことになってしまいますので、医師に「薬の名前のスペルを言ってください」とか、「紙に書いてください」と、お願いしていました。それでも皆さん「面倒だ」とか「彼女は使えない」なんて一度も言わずに、快く応じてくれましたし一緒に仕事することを楽しんでくださいました。また、患者さんも言葉の壁を理由に私の担当を嫌がる方は一人もおらず、むしろ、日本人特有の細やかさが嬉しいと言ってくださり、大いに励みとなりました。
あすなろ:言葉の違いではじかれるのではなく、日本人の特性がかえって世界に活躍の場をつくることになるのですね。グローバル化されないと世界に居場所がつくれないわけではないと。
Nさん:むしろ反対だと思います。日本人にしかない繊細さ、謙虚さ、そういうものがかえって世界で重宝され、日本人にしか出来ないことを任されるようになるのだと思います。
あすなろ:日本に帰られてから、何か気付かれたことはありましたか?
Nさん:アメリカにいる時には「私はやっぱり日本人だなあ」と思っていたのですが、こちらに帰って来ると今度は逆カルチャーショックで、「あの人はアメリカ人っぽくなってる」と思われるのが嫌で、カタカナ語を封印したり、英語が出ないようにしたり、色々気を遣いました。アメリカに戻りたいとも考えました。今思うと、アメリカに行った時のカルチャーショックよりも帰ってきた時のほうがしんどかったですね。
社会で活躍されている方々のために、レッスンはオンラインで行っています。左がNさん。右は小学生の頃からあすなろで着々と力をつけてきたYさん。現在大学生ですが、3か月の短期留学以外は海外留学経験がありません。それでも「アドバンスドコース」に在籍できるだけの実力者に成長!
会話は、ボールを投げられたら単語一つでも投げ返す
あすなろ:学生さんたちはどうしてもフリーで海外の方と会話するとなると言葉が出てこなかったり、会話に入れなかったりするようですが、何かアドバイスはありますか?
Nさん:私はよく、まずは単語一つだけでも発してしまおうという感じで会話に入っていきました。例えば、“What did you do last Sunday?” と聞かれた時に、完璧な文章を作ろうとすると時間がかかってしまい、結果、会話のテンポに遅れてしまいがちです。私はそんな時には例えば “Party!” とだけ、とりあえず答えるようにしていました。そうすると、相手は「パーティーしたの? 楽しかった?」などと返してくれます。こうしてとりあえず会話のキャッチボールを始めることを心がけました。言語は意思疎通のツールなので、まずはボールを投げられたら投げ返すことに集中すると良いと思います。
あすなろ:なるほど! それは良い方法ですね! 最後に、若い世代の皆さんにメッセージをお願いします。
Nさん:色々苦労もありましたが、私は思いきって日本を出て良かったなと思っています。様々な人と出会い、様々なものの考え方や感じ方を知り、世界が大きく広がりました。これからの若い世代の皆さんには是非一度は日本の外に出て見聞を広め、自分とは違う価値観を持つ人々と交流し、視野の広い人になってほしいと思います。
あすなろ:貴重なお話をありがとうございました。
次回はあすなろの大学生スタッフが、Nさんに直接お話を聞かせて頂いた折のインタビュー記事を掲載します。お楽しみに!