ウラニアさんとあすなろ学院生との交流記録(3)日本語訳

みんなの声 What’s up?

あすなろ学院生とプラハで活躍するピアニスト・ウラニアさんとの交流をご紹介しています。第3回のウラニアさんの返信を質問者Y.さん本人が日本語に訳しました(挨拶の部分は省略)。生徒の真摯な思いを感じとってもらえるように、講師の添削前の文章を掲載します。

*追記:ウラニアさんからの返信に対して書いたお礼のメールを追加しました(9月5日)。

英語原文はこちら→ウラニアさんとあすなろ学院生の交流記録(3)

大人女子4 私は大学でプロダクトデザインを学んでいます。コロナ感染が始まって以来、日本とヨーロッパでは芸術文化の価値観が全く違うと感じています。多くの日本の人は、文化芸術は人が一生を捧げる価値があるものとしてではなく、なくても生活に困らないものとして捉えています。チェコでは皆さん芸術家や音楽家をどのような位置づけで見ているのでしょうか。


Ourania 

残念ながら、ヨーロッパやチェコでも芸術は娯楽だと多くの人に捉えられています。コロナウイルスにより、芸術家は最初に職を失い、職を取り戻すのは最後になるでしょう。多くの人々が芸術を通じて、退屈な生活から逃れているにも関わらず、皮肉なことに芸術家はお金も尊敬も得られません。

今の家から出られない期間、音楽や芸術、文学や映画がない生活を想像してください。けれど、芸術家たちが作品を生み出すことができるためには、様々な勉強や表現力、思考力が必要です。それらを何年もかけて学んでいても、人々には見えないので理解されません。

残念なことに、世界の多くの人々が芸術家は銀行員や医師より価値があるとは考えていません。一方で、そう考えるすべての人は芸術なしには生きていけないのです。

私はある時、ある人に職を尋ねられ、ピアニストだと答えると「なんて楽なんだ、ピアノで音楽を弾けばいいだけなんて」と言われ、なにも言えなかったことを覚えています。このことから、芸術家が大変な仕事であるということに、どれだけ人々が疎いのかが分かります。何世紀も前からこのような考えは変わらないのだから、これからも変わらないのだろうと、私は少し悲観しました。

芸術家になる夢をあきらめないでください。それがあなたの人生を満たすベストなことだし、そこにいる人々は芸術家や芸術に価値を見出し、尊敬しています。


大人女子4 お返事ありがとうございます。日本とチェコが同じ状況だなんて驚きです。人々が芸術に注意を払わない言葉非常に残念ですが、他の国の芸術の位置を知ることは為になりました。世界と芸術がより良い状況になりますように。

コメントは受け付けていません。